慶応3年(1867)4月25日
伊集院金次郎・中村半次郎太宰府を過ぎり二十五日下関に着す。松太郎為に旅宿を設けて二人に面接す。二人は公(木戸)が太宰府に於て嘉右衛門及び清右衛門等に長藩士を伴はんことを請ひたる懇情を謝し、且つ老臣桂右衛門の伝言を陳べ、久光已に大阪に着したるを告ぐ。松太郎乃ち狂介及び鳥尾小弥太の二人上京せんとして姑く滞関せるを語り、之を金次郎・半次郎に紹介し、且つ其事情を公に報ぜり。
(木戸公伝記編纂所編「松菊木戸公伝 上」明治書院)
二十七日井上聞多下関に来りて半次郎等の滞在せるを聞き、松太郎と倶に其旅宿を訪ふ。是時天候悪しくして風波烈しく、二人下関に稽留すること数日に及び、狂介・小弥太と相與に下関を発して五月十日京都に入る。
(木戸公伝記編纂所編「松菊木戸公伝 上」明治書院)