10/23
この月の初めごろより少々身に病があったが、更に大変増したようであり、今日よりは甚だ患う。
10/24
病におかされ淋しく暮らす。
10/25
独り淋しく病に日を暮らせば、文久の年ごろからの世の有様をつらつら思い起こす。
吾独り、国のため尽くしたこともあったけれども、これは人も知らず、何れの人が後の世を知るだろうか。
深く思うことあれば、ただものかなしくも伏しながら、詠みおく。
今は世に よしもあしともしらねども 後の人こそしるべきものを
11/1
病も追々快気の方へ向かう。(栗原智久編・訳「桐野利秋日記」PHP研究所)